卵巣がんからの生還

2019.がん発覚から生還までの記録

⑦セカンドオピニオンから転院へ

2019年1月 めでたく還暦を迎えた自分に、まさかの卵巣がんステージIII発覚!
生還までの記録が誰かの為になればとブログ始めます。



セカンドオピニオン先の病院は築地の国立ガンセンターと有明のガンセンターと決めていたので迷わず女医さんに伝えました。

驚くことにネットで調べると、セカンドオピニオンにかかる費用は1時間で約5万円!
どちらの病院にするか選択しなければ。
幸い、100万円のガン保険に加入していたのでただちに請求し役立てることができました。
ガン治療にはお金がかかります。
もっとたくさん掛けておけばよかった…。

とりあえず、両方の病院に電話していつセカンドオピニオンが受けられるか確認します。

有明のガンセンター→5月31日とのこと。A病院での抗がん剤治療前にできないかと訴えても早まりませんでした。

築地の国立ガンセンター→A病院での抗がん剤治療前にと伝えたところ、医師の確認を取って折り返すとのこと。無理かなと思いつつ待っていると数時間後に、5月16日夕方で取れると!即決断しました。

通院を考えると築地の方が時間は1時間半かかっても通いやすかったので、好都合でもありました。

5月16日。旦那にも付添ってもらいA病院の検査結果を持って国立ガンセンターへ。

ここで私にとって運命のQ先生に出会います。Q先生のおかげで前向きな明るい治療生活ができたと言っても過言ではありません!

診察室に入るとQ先生はA病院からの資料映像をじっくり見ています。
「よろしくお願いします。」緊張した声と面持ちで旦那と私が挨拶すると、Q先生は画像と私を交互に見て
「思わずあなたのお腹を見ちゃったよ。皮下脂肪が4㎝もある。」
「やだー、先生。アッハハ!」
思わず大笑いしてしまいました。
私は身長159㎝、体重63kg。人間ドックでは体重B判定のぽっちゃり体型ですが、顔が小さい為着痩せして見えます。
でもCTには真実が写っていた…。

一気に診察室の雰囲気が和みました。
先生は「患者さんの性格を見たんだよ。」と。
そして、図解しながら説明してくれます。

卵巣がんの高異型度漿液腺癌。
がんは子宮と膀胱の間、子宮と大腸の間、右卵巣、腹膜播種あり。膀胱に浸潤あれば膀胱の一部も取ります。大腸に浸潤がある場合は大腸の一部を切って一時的に人工肛門を作り、半年後に切った大腸を繋げる手術もします。
漿液腺癌の場合、標準治療が非常によく効くので手術前に3クールTC療法でガンをたたき、術後も3クールTC療法を行います。」

正直、人工肛門と聞いてとてもショックでした。
しかし、Q先生の詳細で自信満々な経験値に基づく説明はA病院の比ではなく、説明が終わると同時に旦那と私は
「こちらに転院したい!」と叫んでいました。

通常セカンドオピニオンで転院することはできません。
でも、Q先生は「いいですよ。」とことも無げに仰って初診を5月20日に予約してくださいました。
「A病院から生検のプレパラートを初診の20日に持ってこれないか。」と言われ、その場でA病院に電話。即答無理で折返しを待つことに。
セカンドオピニオンの1時間が経ち、ここでQ先生とは別れ。歩き去る先生の背中を思わず拝んでしまいました。

そんな様子を見ていた受付の女性が
「いい先生でしょう?」と声をかけてきました。そして私に
「治療中はとても辛くて、こんなことなら治療しなければよかったと思うこともあるかもしれない。でも、よくなった自分を想像して頑張って欲しい。」と言ってハグしてくれたのです。
私は転院してここで治療できる喜びの方が大きかったので、笑顔で「はい!頑張ります。」と答えました。
女性は隣にいる旦那を見て「旦那さん、泣きそうな顔してる。」と一緒に涙ぐんでいました。
スタッフもこんなに素敵な人がいるなんて、国立ガンセンターは素晴らしい病院だと確信しました。



次回に続く。