卵巣がんからの生還

2019.がん発覚から生還までの記録

⑫手術日までのつれづれ

前回、抗がん剤の副作用について書きましたが、手術前の抗がん剤は7月中に終わったので術後の抗がん剤治療が始まるまでは改善された副作用もありました。

1番嬉しかったのは、味覚障害が治ったこと!
人間、美味しく食べられることがこれほど幸せなことか!と感激しました。

次に嬉しかったことは、髪が伸び始めたこと。
頭全体がだんだん黒くなってきて、毎日少しずつ伸びていることを触って実感しました。
まるでペンギンの子供みたいなふわふわした髪質が家族にも好評でよく頭を撫でられ、ここまでよく頑張ったねと褒めてもらえているようで嬉しかったです。


8月5日 婦人科診察。
手術は別の先生がするということで、Q先生最後の診察でした。

名残惜しくてQ先生に
「手術への心構えを一言ください!」と言ったら、少し考えて
ボヘミアンラプソディーを見ることです。」
とおっしゃいました。
これもQ先生ならではのユーモア溢れる言葉。

実はQ先生、週末にタイ旅行していて機内で見た映画ボヘミアンラプソディーにとても元気をもらったばかりだったのです。

「はい! また見ます!」
映画を見たことがありクィーンの歌が好きな私は元気よく答えました。

するとQ先生は、ドンドンパッ、ドンドンパッ、と足踏みと拍手(ご存知ウィーウィルロックユーの始まり)を始め、私も乗って足踏みと拍手して笑顔で診察室をでたのでした。

「手術日は8月下旬。病院から電話連絡がいくので待っていてください。」
手術には家族の付き添いが必要です。
早く手術日が分からないと付き添う家族も勤務先への休み申請ができなくて、こればかりはちょっと困りました。

しかし、程なく手術担当の先生から電話を頂きました。
「手術は8月23日。入院はその2日前の21日になります。時間などの詳細は事務の人から別途連絡があります。」

いよいよ手術だ!

抗がん剤はよく効いたのだから、後は「まな板の上の鯉」になって全てお任せしよう。

とは言うものの、まず心配なのは硬膜外麻酔。
背中に打つ麻酔です。
事前に説明を受け怖くなりました。

手術台に上がったら横になって背中をエビのように丸くして、背中の真ん中あたりに注射するのですが。
気分が悪くなったり異常を感じたらすぐに申し出るように。
ごく稀に麻痺がおこったりする副作用が出ることありと。

万が一を考えて家族に手紙でも書いておこうか、などと思ったことも確かです。
が、元来ポジティブな私。
手紙を書くことが返って悪い方向に行くのではないかと思い直し、やめました。



次回、いよいよ手術へ続く。