卵巣がんからの生還

2019.がん発覚から生還までの記録

㉞リンパ管静脈吻合術

2021年10月12日
9:00 手術室に入る。

造影剤を使いリンパの流れを確認。

さらにCT画像で、リンパ管と静脈の近い場所を特定していく。
今までは切開してからリンパ管と静脈を探していたそう。
CT画像によって切開箇所を特定できるようになって、手術時間が約30分に短縮された、ってすごいですね。

私の場合は、全部で4箇所。
しかも、2箇所同時に2人の医師が施術。
12時前には病室に戻れました。

局所麻酔なので、意識ははっきりあり。
医師と話しながら手術が進むなんて、不思議で楽しくさえありました。

1番痛かったのが麻酔の注射。
優しい看護師さんが手を握ってくれたので、遠慮なく痛ーいと叫びながらギューと握らせてもらいました。
1箇所に3回くらいづつ打つから、合計12回は痛くて顔しかめて叫んだかな。

手術の様子は画面で見ることができ、始めにメスが入る所は直視できなかったものの、中身が見えて医師が「この黄色のが脂肪。これがリンパ管。こっちが静脈。」と説明してくれると怖いもの見たさで画面に釘付け。

顕微鏡を使い1ミリ弱のリンパ管と静脈を繋げる様は、テレビドラマの様に芸術的!

お裁縫、上手なんですか?
などと下らないこと言っても、ちゃんと答えてくれるし。
1人の女医さんは、「お裁縫はあまりしませんが、リンパ管と静脈を繋げる練習はたくさんしてます。」と。
もう1人の男医師は、「根気よさが大事です。」とおっしゃってました。

脂肪はまるで細かく切れた数の子のように、たくさん存在してリンパ管と静脈を隠していました。
道具を使って丁寧に脂肪をどかし、見つけた静脈をクランプで止めてから切断。
不要になった静脈の断面は焼き処理。

見つけたリンパ管は切断して紫色の溶液で着色。
不要になった残りのリンパ管はやがて身体に吸収されるそうです。

リンパ管と静脈を繋ぐのは、釣り針のような形の針と糸。
6箇所くらい縫い付けて、リンパがしっかり静脈に流れることを確認してから皮膚を縫い合わせて終了。

皮膚の縫い合わせも麻酔が効いているから痛みは感じないはずなのに、見ていると痛い気がするから不思議です。
皮膚の内側をうまく縫うので、外側には糸の痕跡が皆無。
素晴らしい手技です。

ありがとうございました。


ちなみに、前日同じ病室だった方は別の手術でした。
私は手術翌日、元気に歩いて退院しました!